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シンクレアZX Spectrum(ぜっとえっくすすぺくとらむ)は、シンクレア・リサーチが1982年にイギリスでリリースしたホームコンピューターである。 開発中は ''ZX81 Colour'' および ''ZX82'' と呼ばれていたが、それまで(ZX80とZX81)のモノクロ表示との違いを強調するために、シンクレア卿が「Spectrum(=スペクトル、光をプリズムで分光したときに得られる色の帯)」と名づけた。最終的に8つの異なる機種をリリースしており、1982年にリリースした 16kB RAM の入門モデルから1987年のフロッピーディスクドライブ内蔵の 128kB RAM 搭載の ZX Spectrum +3 まである。全世界で累計500万台以上を売り上げた(クローンを除く)。 Spectrumはアメリカでのコモドール64のように、イギリスで最初に爆発的人気を得たホームコンピュータである。ZX Spectrum の登場により、ソフトウェアや周辺機器を提供する企業が急激に増え、その影響は今も続いている。SpectrumがイギリスのIT業界を生み出したとする者もいる。ライセンス契約とクローンがそれに続き、「英国の産業への貢献」を称えられたクライブ・シンクレアは爵位を得た。 1980年代初期のイギリス市場での主なライバルとしてはコモドール64と BBC Micro があり、少し遅れて Amstrad CPC もライバルとなった。Spectrum のサウンド機能とグラフィック機能を強化したバージョンがアメリカでタイメックス社によってTimex Sinclair 2068として発売されていた。イギリスやアメリカで人気のあったSpectrumであるが、日本では御三家の力が強く販売されることはなかった。累計で23,000タイトルのソフトウェアがSpectrum向けに発売されており、2010年にも90タイトル以上の新作がリリースされている。 == ハードウェア == Spectrum は 3.50MHz の Zilog Z80A CPU(または NEC μPD780C-1)を採用。最初のモデルでは、16KバイトのROMと16Kバイトもしくは48KバイトのRAMを搭載している。ハードウェア設計者はシンクレア・リサーチの。シンクレアの工業デザイナーが外観を設計〔。 ビデオ出力はRFモジュレータ経由でテレビに接続し、家庭用テレビを単純なカラーグラフィックディスプレイとして使用した。Spectrum の表示機能は今日から見れば低レベルなものだが、当時の小型テレビで表示するには完璧で、ゲームなどの開発も難しくなかった。テキストは本体内蔵の文字セット(ASCIIベースの独自文字セット)かアプリケーションが提供する文字セットを32桁×24行表示し、15色で表示可能である(8色×2輝度で、黒は輝度変化しない)。グラフィック表示も同様の色数で256×192ドット表示である。メモリを節約するため、色の属性情報をテキストやグラフィックデータとは別の32×24のグリッドで保持し、1属性データが1文字の表示領域に対応している。アルトワッサーはこの設計について特許を取得している。 1つの「属性」は前景色と背景色、輝度レベル(通常/明るい)、フラッシュ「フラグ」(前景と背景を一定間隔で入れ替える)から構成される〔。この特徴を独特の特殊効果に使用するゲームもあったが、''color clash'' や ''attribute clash'' と呼ばれる表示の乱れも発生しやすかった。この問題はSpectrumの際立った特徴としてユーザの内輪のジョークともなったが、同時に他のホビーパソコンを支持する人々からは嘲笑の的となった。当時、イギリスで使える他のマシンとしては Amstrad CPC などがあったが、このような問題は起きなかった。コモドール64も色属性を独立させていたが、スプライトとスクロール機能を使ってこの問題を回避していた。 サウンドは最初の機種ではビープ音のみだが、1チャンネルで10オクターブの音高を発生できる。また、拡張バスのエッジ・コネクタを備え、プログラムやデータのセーブ/ロードのためにカセットレコーダーを接続するオーディオポートがある。ZX81よりもセーブ/ロードが高速化しており、信頼性も高まっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ZX Spectrum」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 ZX Spectrum 」があります。 スポンサード リンク
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